[ビスカリアの星]設定覚書(随時追加)




ウィスタチヤ帝国----ウィスタビアの古名であるが、一般的にこの古名のまま通称される。
カルタ=ウィスタビア王朝時代----カルタラグン家が皇帝代行をしていた時代を、特に区別される時の呼称。
ウィスタ----帝国の首都。通常は「都」。

ジュピタ皇帝家
・開祖------七騎士を率いて悪竜退治を果たした。ジュピタの繁栄を願い、死後その名は封印されている。
・今上帝----ゾウゲネス皇帝
・皇太子----ソラムダリヤ・ステル・ジュピタ
・内親王(皇女)-----フリジア姫

聖七騎士家-----ヴィスタチヤ初代皇帝と共に悪竜を退治した七人の騎士が始祖。
 カルタラグン(滅亡)
 ジュシュベンダ
 ハイロウリーン
 サザンカ
 オーガススィ
 タンジェリン(滅亡)
 レイズン
※カルタラグン、ジュシュベンダ、オーガススィは三大騎士家。

衛星騎士家-----小星家、三ツ星家とも俗称される。七大騎士家と婚姻を重ねてきた名家。
 ナナセラ
 フェララ
 コスモス(レイズン家管轄へ)

主要登場人物(物語の進行に合わせて随時追加)※主要人物年齢一覧表はコチラ →

◆聖七騎士家 ※色はそれぞれの武装や正装時の識別色。

[カルタラグン]青に銀
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翡翠皇子(ヒストリア・ヒスイ・カルタラグン・ヴィスタビア)
  カルタラグン家第二皇子。
  百年続いたカルタラグン王朝の最期の皇子。政変の夜討たれて死亡。

オニキス皇子(ブラカン・オニキス・カルタラグン・ヴィスタビア)
  カルタラグン家皇子。

[ジュシュベンダ]紫に金銀
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イルタル・アルバレス・ジュシュベンダ
  ジュシュベンダ当主。
  その尊敬から、大君、または大帝と非公式に称されることもある。
  ハイロウリーンと並ぶ二大騎士団を有する、英明の君。
  ジュシュベンダは代々「アルバレス家」の者が統領となる。

パトロベリ・テラ(真名パトロベリ・アルバレス・ジュシュベンダ)
  ジュシュベンダ家先々代卑腹の出。
  現当主とは、イルタルの祖父がパトロベリの父という関係。
  騎士能力は本人がなかなか本気にならないので不明だが、
  上位〜高位クラスくらいは余裕であるようだ。

アニェス・マノ
  シュディリスの留学時代の恋人にして、パトロベリの元恋人。
バラス兄弟
  (兄・グラナン)シュディリスとパトロベリの従者となる。双剣の遣い手。
  (弟・トバフィル)シュディリスの留学時代の親友。終業後、僧籍に入り俗世を離れた。
ビナスティ・コートクレール
  従騎士としてイルタル大帝より放浪の騎士クローバに下賜された女騎士。
  額に深い創を持つ美人。いらくさ隊所属。
シャルス・バクティタ
  将軍
キエフ
  シャルスの副官

[ハイロウリーン]白に金
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フィブラン・ベンダ・ハイロウリーン
  ハイロウリーン当主。高位騎士。
  剛毅にして高貴、騎士の中の騎士と呼ばれるハイロウリーン騎士団を率いる。
  七人の男子の父。(ケアロス、イカロス、ワーンダン、カンクァダム、インカタビア、エクテマス、ワリシダラム)

エクテマス・ベンダ・ハイロウリーン
  七人いるフィブランの子の下から二番目。天才的な超騎士にして、騎士ルビリアの弟子。
  王子年少組として、すぐ上の兄に五男インカタビア、弟に七男ワリシダラムがいる。

ガーネット・ルビリア・タンジェリン
  シュディリスの実母。ハイロウリーン左翼騎士団所属の高位騎士。
  タンジェリンの生き残りとして、レイズンからお尋ね者の身。

[サザンカ]紫に赤金
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カウザンケント・デル・イオウ
  イオウ家次期当主。

ロゼッタ・デル・イオウ
  サザンカ家司イオウ家出身の女騎士。準上位クラスの騎士。
  カウザンケント・デル・イオウは実兄。
  イオウ家は、サザンカ家と半ば共同統治の名家。


[オーガススィ]灰色に銀
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トスカイオ・クロス・オーガススィ
 (トスカ=タイオ・クロス・オーガススィ)
  オーガススィ当主。リィスリ・フラワンとクローバ・コスモスの長兄。


[タンジェリン]赤に銀
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滅亡

[レイズン]青に黒銀
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ミケラン・レイズン
  レイズン分家の統領。ゾウゲネス皇帝と共に若くして改新を果たした功労者。
  妻はアリアケ・スワン・レイズン。
  レイズン家唯一の高位騎士。現在の愛人にエステラがいる。
  なお、分家の正式な識別色は青に黒である。

タイラン・レイズン
  ミケランの実弟。コスモス新領主。
ジレオン・ヴィル・レイズン
  本家の御曹司。ヴィスタル=ヒスイ党の幹部。



◆衛星御三家

[ナナセラ]黄色に銀
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サンドライト・ナナセラ
  ナナセラ家庶子にして、カルタラグンの騎士。二十年間行方不明だった。

[フェララ]緑に金
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ダイヤ公
  フェララ当主。

ルイ・グレダン
  フェララ家剣術師範。元ハイロウリーンの高位騎士。
  市中では熊さんと呼ばれることもある。

モルジダン侯
  隻眼の騎士。ルイの友人。騎士ラルゴはその部下。

[コスモス]黒に金
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辺境伯クローバ・コスモス
  幼少の頃にコスモス家の養子となったオーガススィ家の男子。放浪の騎士。
  高位〜超騎士クラスの安定した優良騎士。後のバルカンダル侯。

フィリア・コスモス・タンジェリン
  クローバの妻。タンジェリン家四姉妹の長姉。ルビリアの姉。
スキャパレリ(故人)
  クローバの乳兄弟にして侍従。


◆トレスピアノ(不可侵領地)
カシニ・フラワン
  トレスピアノ領主。シュディリスの養父。
リィスリ・フラワン・オーガススィ
  領主夫人。翡翠皇子のかつての恋人。

★シュディリス・フラワン(愛称シリス)
  真名シュディリス・カルタラグン・ウィスタビア。父は翡翠皇子、母はルビリア姫。
  赤子の頃にフラワン荘園に預けられてそこで育つ。
  妹リリティス弟ユスタスと共に、星の騎士の称号を持つ騎士。

★リリティス・フラワン
  シュディリスの妹。オーガススィ家の血を受け継ぐも、
  不幸にしてその負の要素も濃く出た。

★ユスタス・フラワン
  シュディリスの弟。
  叔父にあたるクローバと才能的にはもっとも似ている。安定した高能力の持ち主。

オフィリア・フラワン
  建国伝説に登場するフラワン家の乙女。ウィスタチヤ帝国初代皇妃。


◆ユスキュダル
巫女(カリア・リラ・エスピトラル)
  全ての騎士の御魂を祀る聖地の巫女。リラの君とも呼ばれる。




質問と回答(掲示板での回答をまとめました)


◆騎士の階位
聖七大騎士家の開祖は、退治した竜の血を呑んだために、
それ以後、代々、身体能力に優れた騎士を輩出しています。

階位については各騎士団で若干異なりますが、
上位クラスには、高位騎士と上位騎士の二つがあり、
さらに高位の中でも超騎士と呼ばれる、さらに一段階強い騎士がいます。
クローバ・コスモスや、エクテマス・ベンダ・ハイロウリーンらが、ここに分類されます。

<参考:平騎士が林檎を一つ打ち落とすにかかる平均を基準とした、同秒での他騎士との対比>
  超騎士------11.5個
  高位騎士----10個
  上位騎士----7〜8個
  準上位騎士----5〜7個
  (このあたり能力にばらつきあり)----2〜6個
  平騎士----1個

もっとも騎士の強さは相対的なものなので、高位騎士でも苦手な上位騎士に敗れることもあり、
準上位騎士がたまさか高騎士に勝つことも稀にあります。

◆騎士家の血統
基本はサラブレッドに喩えると丁度よさそうです。
名だたる騎士家の親をもって生まれたら、その時点でその子供は、
自動的に優れた騎士の候補と見做されます。
自分が騎士であるか否かよりも、その家に生まれたこと自体が、
彼らに早期の自覚を促します。
竜の血を持つものは好戦的で、誇り高く、激情家。
そういった特徴は幼少の頃から顕著であると考えられます。
調教師が、仔馬の足や気性や、血統を見て、その才能を見抜くように、
かなり早いうちからその判別はつくものと思われます。

もとより天稟に恵まれて生まれてくる彼らですが、
それでもその後、自分の意志で自分自身を鍛えることがなければ、
優れた素質があっても実力が育つこともありません。
本当は速く走れるのに、走らないことを選んでいる者もいたり、
(カシニ・フラワンや、登場時におけるパトロベリ・テラとかですね)、
速く走れることを知らぬままに生涯を終える者も、ルビリアのように、遅咲きの者もいます。


◆名門騎士家イコール騎士か
騎士家同士の婚姻により竜の血は保たれてきましたが、
長い年月の間には、血が薄まったり、途絶えたり、淘汰されたり、
かと思えば先祖がえりしたりと、さまざまで、必ずしも確定的なものではないようです。
ただし騎士家に生まれると、騎士に必要な修練は何においても最優先で
彼らに与えられるので、よい教師に恵まれて、その才能に磨きはかかります。
野原で生まれた馬はそのままですが、
有名な厩舎に生を受けると、そうあるべく育ててもらえる。
サラブレッドとして生まれた馬が、一流の調教を受けるようなものです。

血統がそのまま強さの証明になる一方で、
よく走る馬の中にも無名の親を持つ馬がいるように、
竜の血の混合率など確かめようがない民草や、
傍系や濃い血筋ではない家に生をうけた者の中からも、稀に高位騎士が出てくることがあります。
(ルイ・グレダンや、ミケラン・レイズン)
能力主義なので、出自にかかわらず優れた騎士は位騎士となりますが、
竜の血がより濃く混じっている騎士が凡百を差し置いてリードをきるのは当然であり、
騎士の花形であるのも、彼らです。それだけに家柄がものをいう世界ではあるでしょう。


◆女騎士の悲劇
騎士の血を持つ女に期待されることは、
騎士の母として次代の男子を生むことであり、騎士になることではありません。
ですが、闘争本能により、その命を全開にして走り出したいと願う馬を、
止めることは出来るでしょうか。
騎士になることは竜の血を持つ者の本能であり、誰にも止めることは出来ません。
そしてそれが女性である場合、当人や周囲は、それを望むでしょうか。
リリティス・フラワンは兄弟の感化を受けてそれを選びましたが、
オーガススィ家やタンジェリン家の女たちは、踏みとどまりました。
彼女たちには剣が与えられず、
戦場という名の馬場に連れ出されることもなかった。
かといって、本人がそれを欲するのであれば、やはり止めようがないことです。
それが一番自然な姿であり、そしてもっとも過酷な生き方であることは、
多くの女騎士が体現するとおりです。

騎士にはならなくとも、彼女たちのその矜持は竜神の騎士のもの。
その精神は母となった彼女たちによって、脈々と騎士の家系に継承されてゆくのです。

◆星の騎士と高位騎士との違い
高位騎士の中でも特に品格の高い騎士を、「星の騎士」と呼びます。
名舞踏家の中でも霊的としか思えぬ踊りを見せる方々がいますが、
それと似たところがあるようです。
星の騎士はユスキュダルの巫女と念話が出来るとされていることから、
巫女直属の騎士として別格に崇められます。ひじょうにレアな人々です。

血統上、星の騎士は、
聖七大騎士家の流れの中からしか輩出されることはありません。
それもあってか、一般に膾炙されている説においては、
能力的にも、血統的バックボーンにも、その経歴にも、
どこをとっても非のうちどころがない高位騎士のことを、高位騎士とは区別して
「星の騎士」と呼んでいるのだと単純に見做されているようです。
あながち外れてはいないので、通常はこちらの解釈のほうがとおりがいいようです。
つまり、「オーガススィ家の姫を母にしたフラワン家の三きょうだいは星の騎士だ」
と聴かされると、誰もがそれを、
「七大騎士家と婚姻を重ねてきたフラワン家ならば、さもありなん」
星の騎士の実体など知らぬままにも、そのステイタスから頷きます。